花の名前
押し当てたティッシュに、


あたしの血がだんだん染み込んで、


赤い模様を作っていく。


傷口に、くちびるをそっと近づけると、


脈がどくんどくんと、正確なリズムを刻んでいるのがわかって、


なんだかほっとした。


その夜は、バンドエイドを貼りつけて眠った。


久しぶりに、朝まで眠れた。



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