花の名前
何か嫌なことがあると、すぐ泣くあたしを、心配そうに見ていたトモの顔を思い出す。


慧太君は、トモに比べると、少し華奢だった。


そして、やっぱり、大人びていた。


トモも、あと三年たったら、今の慧太君のようになっていたんだろうか。


死んでしまった人は、生きていた時のままで変わらないのが悲しいなぁ。


トモが、あたしが、変わっていくのを一緒に見たかったのになぁと思った。
< 28 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop