花の名前
「慧太君が、ここに連れて来てくれたの?ごめんね。重かったでしょう?」


そう言うと、慧太君は、びっくりしたよ。と肩をすくめた。


「気が動転して、うちに連れて来ちゃったけど、やっぱり医者に行った方がよかったかな」


「気分は大丈夫?」と聞かれたので、あたしは一応「大丈夫」と答えた。


慧太君は、トモと同じ、優しい瞳をしていた。


「エリカちゃんちには、うちの親から連絡してもらったから、ここに好きなだけいていいよ。」


こんなことすると、朋夜が怒るかもしれないけど。と言って、慧太君は、あたしの頭に手を置き、そっとなでた。


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