花の名前
慧太君が、「自由に読んでいいから」と言っていた本棚を、すみから見ていくことにした。
海洋学を勉強している人だけあって、海に関する本がたくさんあった。
あとは、ファッション雑誌と、文庫本が何冊か。
クジラの生活を追った写真集もあった。
最後の段の端で、あたしの手が止まった。
ビニール袋に包まれた、板のようなものがあった。
たくさんの本に囲まれて、それだけが異質な存在だった。
人の物を、勝手に見ちゃいけないかなぁ、と思ったが、結局好奇心のほうが勝ってしまった。
おそるおそる、袋を開ける。
透明なビニール袋の中には、布に、丁寧に包まった何かが入っていた。
それを目にした瞬間、あたしはものすごく後悔した。
海洋学を勉強している人だけあって、海に関する本がたくさんあった。
あとは、ファッション雑誌と、文庫本が何冊か。
クジラの生活を追った写真集もあった。
最後の段の端で、あたしの手が止まった。
ビニール袋に包まれた、板のようなものがあった。
たくさんの本に囲まれて、それだけが異質な存在だった。
人の物を、勝手に見ちゃいけないかなぁ、と思ったが、結局好奇心のほうが勝ってしまった。
おそるおそる、袋を開ける。
透明なビニール袋の中には、布に、丁寧に包まった何かが入っていた。
それを目にした瞬間、あたしはものすごく後悔した。