花の名前
彼の身体は、温かくて、気持ちがよかった。 


そして、彼は、あたしの耳元で、小さな声で話し始めた。


悲しい、恋の物語だった。


ボランティア活動に行った水族館で知り合った女性と、恋に落ちたこと。


彼女には、家庭があったこと。


けれど、その家庭はすでに崩壊寸前で、夫は愛人と別の家で暮らしていたこと。
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