花の名前
また、取り残されるの?
トモが死んでしまった時の様に。
いなくなるの?大切な人が。
あたしの前から消えてしまうの?
あんな思いは、二度と嫌だった。
あんな悲しい思いは、絶対に嫌だった。
「慧太君」
もう一度呼びかけると、彼は、口を開いた。
「エリカちゃん、お願いがあるんだ。彼女の、子供に、代わりに謝っておいてくれないかな。
大人の勝手で、ずいぶんかわいそうなことをしちゃったから」
もう、目は開かないようだ。
最後まで自分を責め続ける彼を、気の毒に思ったけれど、それは、あたしには出来ない仕事だ。
だって、あたしも、もうすぐトモのところへ行くんだもの。
ごめんね、という気持ちを込めて、彼の手を、ぎゅっと強く握った。
トモが死んでしまった時の様に。
いなくなるの?大切な人が。
あたしの前から消えてしまうの?
あんな思いは、二度と嫌だった。
あんな悲しい思いは、絶対に嫌だった。
「慧太君」
もう一度呼びかけると、彼は、口を開いた。
「エリカちゃん、お願いがあるんだ。彼女の、子供に、代わりに謝っておいてくれないかな。
大人の勝手で、ずいぶんかわいそうなことをしちゃったから」
もう、目は開かないようだ。
最後まで自分を責め続ける彼を、気の毒に思ったけれど、それは、あたしには出来ない仕事だ。
だって、あたしも、もうすぐトモのところへ行くんだもの。
ごめんね、という気持ちを込めて、彼の手を、ぎゅっと強く握った。