リベレイターズ
案内
初対面で、卯月さんや夕姫とも知り合えたのは、守のフランクな性格に助けられたからだ。
そのあとにやって来たテストプレイヤーの人たちとは、あまり話すことができなかった。
話しかける雰囲気にならぬ間に、案内のアナウンスが頭上から聞こえてきたからだ。
『βテスターの皆様。大変長らくお待たせいたしました。只今より、テスト会場へとご案内します。扉が開きましたら、通路をまっすぐお進みください』
機械音声ではあったが、女性のものであった。
すると、ポンという飛行機が離陸する時に鳴るような電子音が聞こえ、ゆっくりと扉が開かれた。
「いよいよかあ」
守が、半ば興奮気味に前へと歩み寄る。
待ちきれないのは、僕も同じであった。
βテスターの男女の比率は、オンラインゲームらしく、男性が多めである。
一人は、女っぽい男性だが。
扉が完全に開くと、守がいち早く中へと入っていった。
僕たちもそれに続き、指定された奥の部屋へと向かう。
「そういえば、これって泊まりだったよね、アニキ?」
「うん、そうだけど?」
夕姫が何の気なしに卯月さんに、そう確認する。
そういえば、一週間はこの人たちと過ごすんだったっけ。
いささか、仲良くできるかが不安だった。
守のおかげで卯月さん、夕姫とは、仲良く出来た僕であるが、もし彼のバックアップがなければ、誰ともまともなコミュニケーションが取れない。
ゲームの中では、別であるが。
基本的に、僕はコミュニケーション障害で、学校でもあまり友達がいない。親友と呼べる人間は、何人かいるけど、それ以外は皆無だ。
クラス内に、その親友はいないため、自然と一人になることが多い。
班分けでは、人数が足りないところに入れられて、忘れ去られてしまうほどだ。
「私、下着持ってきたんだけど、何か足りない気がしてさ」
「ああ。なら、足りなくなったら私の貸そうか?」
聞き捨てならない会話が聞こえてきたが、あえてスルーすることにした。
この会話は、僕には不利であると悟ったからだ。
そのあとにやって来たテストプレイヤーの人たちとは、あまり話すことができなかった。
話しかける雰囲気にならぬ間に、案内のアナウンスが頭上から聞こえてきたからだ。
『βテスターの皆様。大変長らくお待たせいたしました。只今より、テスト会場へとご案内します。扉が開きましたら、通路をまっすぐお進みください』
機械音声ではあったが、女性のものであった。
すると、ポンという飛行機が離陸する時に鳴るような電子音が聞こえ、ゆっくりと扉が開かれた。
「いよいよかあ」
守が、半ば興奮気味に前へと歩み寄る。
待ちきれないのは、僕も同じであった。
βテスターの男女の比率は、オンラインゲームらしく、男性が多めである。
一人は、女っぽい男性だが。
扉が完全に開くと、守がいち早く中へと入っていった。
僕たちもそれに続き、指定された奥の部屋へと向かう。
「そういえば、これって泊まりだったよね、アニキ?」
「うん、そうだけど?」
夕姫が何の気なしに卯月さんに、そう確認する。
そういえば、一週間はこの人たちと過ごすんだったっけ。
いささか、仲良くできるかが不安だった。
守のおかげで卯月さん、夕姫とは、仲良く出来た僕であるが、もし彼のバックアップがなければ、誰ともまともなコミュニケーションが取れない。
ゲームの中では、別であるが。
基本的に、僕はコミュニケーション障害で、学校でもあまり友達がいない。親友と呼べる人間は、何人かいるけど、それ以外は皆無だ。
クラス内に、その親友はいないため、自然と一人になることが多い。
班分けでは、人数が足りないところに入れられて、忘れ去られてしまうほどだ。
「私、下着持ってきたんだけど、何か足りない気がしてさ」
「ああ。なら、足りなくなったら私の貸そうか?」
聞き捨てならない会話が聞こえてきたが、あえてスルーすることにした。
この会話は、僕には不利であると悟ったからだ。