なにぬねのんびり屋

こんな現実に起こるかどうかわからない現象について、ここまで真剣に考えられる想像力と素直さがかわいいじゃないか。


「まぁまぁそう荒ぶるな。希美はやりたいことがたくさんあるんだね」


「そうなんです。なんで世界が終わるって前日に知らせるんですかね?一週間…いや、一年くらいの猶予があれば、ものすごく有意義な時間を過ごせるのに…」


「一年あるなら、いろいろできるね。そしたら希美と一緒にいっぱい出かけたいな。」


「じゃあ、二人で今までお世話になった人たちを巡りましょうか。みんなにあいさつして、スッキリ終わりたいです」


「その合間で食べたいものやりたいことを消化して行こうか。でも、やりたいことは優先順でやらないと終わらなそうだね」


「とりあえず最初はスカイダイビングしたいです!」


「えー…それ俺も一緒じゃないとダメ?」


「一緒にって言ったのは凌斗さんですよ?」


「…まぁいっか。最後はここで、静かに過ごそうね」


「結果的に明日終わるって時は凌斗さんのやりたいことにまとまりましたね。」


「まぁ、終わる日が来ないことを願うだけだね。」


「それもそうですね」



もしも世界が終わりを迎える日が来ても、希美と一緒なら後悔せずに終われそうだ。



END



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