なにぬねのんびり屋

「…そういうことか。でもそれラブレターじゃなくない？」


「愛を込めて書いた手紙は何だろうとラブレターですよ。で、書き出しなんですがどうしたらいいでしょう？」



手紙なんて普段書かないから何を書いたらいいのやら。

とりあえず時候の挨拶から始めればいいのだろうか？



「希美からの愛のこもった手紙をあいつらはもらえるのか？なにそれ羨ましいんだけど。俺今までもらったことないんだけどそんなの」


「凌斗さん。拗ねてないで教えてくださいよーう」


「…なんでもいいと思うよ。というより、俺が口だしたものより希美の言葉で書かれたものの方があいつらもうれしいと思う」


「そうは言われましても…」


「希美が思うように自由に書きなよ。それでいいはずだよ」



そんなものなんだろうか。

なら、形式的なものではなくなってしまうだろうけど、あたしの言葉で届けよう。


巣立って行くみんなを想って、ラブレターを届けよう。




END