なにぬねのんびり屋
「大人って、なんなんだろうね。」
放課後の勉強会。
今日は珍しくツバサがいないから、俺とセンセーのマンツーマン。
明日にでも翼に自慢してやろうと、勉強とは全く関係のないことを考えていた俺の耳に届いたのは、目の前で机に突っ伏しうなだれているのぞみセンセーの元気のない声。
「どーしたの急に?元気ない?」
「うーん、なんかねー。…ひぐち君はさ、大人ってどんなんだと思う?」
俺の認識ではセンセーだって年齢とか社会人って点では大人なんだけど、センセーのこの感じを見ているとどうもそう言う問題ではないらしい。
「大人ねー…偉そうでムカつくとか?」
「偉そう、ね。そうだよなー大人って偉そうだよなー。あたしも学生の頃はそう思ってたしなー…」
「でも、センセーは偉そうじゃないから好き。」
「あら本当?ありがと。え、でもそれってひぐち君の中であたしは大人のカテゴリーに入れてないってことか?」
「いやー、センセーは特別枠だからさ!でもなんで急にこんなこと言い出したの?」