なにぬねのんびり屋
空が薄暗くなってきた頃、そろそろみんなの仕事は区切りがつきそうだ。
だんだんとソワソワした空気が生徒会室に充満して行く。
だがみんなが一向に帰ると言い出せないのは、たぶん俺のせいなんだろう。
自分の仕事と副会長の仕事。
下に回せるものは回したが、それでもやはり分量が多い。
まだ終わりが見えていない俺の取り分が、みんなが帰るのを躊躇わせている。
コンコン
そんな、少しの緊張すら感じられるこの空間を切り裂いたのは、小さなノックの音。
真っ先に反応したのは書記の相原だった。
一番入り口側に机がある相原は、いつも率先して訪問者の対応をしてくれている。
「どうぞー。」
「おっじゃましまーす。」
そしてドアの隙間から顔を出したのは、いつだって空気を読まない、いい意味でいつもこちらの思考を裏切るあの人だ。