なにぬねのんびり屋
先生の声が響いたあと、あれだけざわついていた教室が水を打ったように静かになった。
笑顔を崩さない先生が、余計に恐怖を煽る。
相当、怒ってるんだ。
「…みんなさ、なんかおかしいでしょ、それ。」
静かに話し始める先生。
声を荒げないように堪えているのか、少し声が震えている気がする。
「別にクラスの全員と親友になれとは言わないし、相入れない人だっているのは当たり前。
それでも、クラスメイトだよ?運命を感じろって言ってんじゃないけど、無関心はやめようや。」
最後には、笑顔もなくなり、真面目で凛とした表情でそう言い切った。
無関心。
確かにそうだ。
あたしたちは佐藤くんに無関心なんだ。
だからいてもいなくても気にならないし、気にしない。
「もし自分がクラスメイトに無関心でいられたらどうなる?休んだ時、誰にも気付かれずにあーそういやいねーなーなんて言われたらどう思う?
お前ら今、それを佐藤くんにやってるんだからな?」