なにぬねのんびり屋

「のぞみ先生、なにか用ですか?」

「いやぁ、電気がついてるからご挨拶でもと思ってね。しかしまぁみなさんお揃いですか。遅くまでご苦労様です。」


相原の問いかけに対する答えは、なんだその低姿勢はと思わせるものだが、これを嫌味や皮肉ではなく素でやってのけるのがこの先生だ。

中島希美先生。


いつだって気を抜いてて、いつだって自分を持っていて、いつだって楽しそうな、尊敬できる先生だ。



「会長くんも、ご苦労様。あら?なんか疲れた顔してない?」



役員一人一人と絡んで、ようやく俺の元までたどり着いた先生は、俺の顔を見ただけでそんなことを言ってのける。


今まで俺がつけてきた仮面の類は、良いのか悪いのかこの人には通用しない。



「宇田くんがお休みなので、うまく仕事が回ってなかっただけですよ。それにもうすぐ終わるので、平気です。

みんなも、仕事終わったんなら帰ってもいいですからね。」


隠そうとしてもどうせバレると言うことは、今までの経験上よく理解している。


バレる上に更に追求されみんなの前でボロが出るのはなるべく避けたい。




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