なにぬねのんびり屋
テーブルにつくと、目の前にはいつもと同じ希美の手料理。
高校の頃から1人で家事をしていたこともあり、料理の腕は確かだ。
「食べましょう!」
「はい、いただきます。」
ここまで来ても特にサプライズ的なモノはないし、料理もイベント仕様ではない。
もうこうなったら本人に聞いてしまおうか。
もし俺が忘れてるだけで、なにかの記念日とかだったら怒るか拗ねるかすると思うが、その時はフォローすればいい。
「希美さ、今日はなんか良いことでもあったの?」
「え、別に、なにもないですよーん?」
「じゃあなんでそんな嬉しそうなのさ?」
「いやぁ、なんでもないですってー」
まだ白を切るつもりなのか…
でも聞いてもこんな感じってことは、記念日とかではなさそうだ。
「あ、電話だ。」
ポケットに入っていたスマートフォンが着信を告げる。
「誰から?!」
「鈴だ。どうしたんだろ。」
「早く出て!」
なんだぁ?鈴となんか共謀してんのか?