なにぬねのんびり屋

「…とにかくですねぇ、君は教室に戻りたまえよ。」


「……本当に具合悪いって言ったらどーする?」



いや、別に具合が悪いわけじゃないけど、ちょっと今は授業に出る気力がないんだわ。



ってくらいの、いい加減なウソだったんだが、


「え?!本当に具合悪いの?!

それならこんなところで油売ってないで保健室行くなり早退するなりしなさいな!お腹痛いの?頭痛いの?熱っぽい?」



こんなにも心配されるだなんて。


どうせいつもの軽い感じで反応するんだろうなーと思っていたが、そうでもなかったらしい。



「しゃべれないくらい気持ち悪いの?大丈夫?保健室行く?」



「あーいやー、大丈夫。うん。具合悪いなんて一言も言ってないし。」



苦笑いで先生の暴走を止めると、今度は心配そうだった顔がワナワナと怒りの顔に変化していく。



「へ?!言ったじゃん!具合悪いって!」


「言ったらどーする?って言ったんだよ。本当に具合悪いとは言ってないし。」


「言っ…言ったよ!バカ!紛らわしいこと言うんじゃないのバカ!」






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