なにぬねのんびり屋

「という事なんだけど、西野くんなにか知ってる?」


放課後、今日はひぐち君は参加しないみたいで、そそくさと帰ってしまったと西野くんが言っていた。


別に何もないんだろうけど、こう、明らかに『何か隠しています』という姿をみると詮索したくなるのが人間ってやつだ。



「オレが昼に来たときはまだ怪我なんかしてなかった。」


「という事は、西野くんが学校にきてからあたしに廊下で会うまでの間に何かが起こったってことか。……てか西野くん遅刻してきたの?」


「あー、ちょっと寝坊した。」


「昼頃登校するのはちょっとの寝坊じゃないでしょ。もう、ちゃんと遅刻しないで来なよね?」


「次から気をつけるって。
で、今は和樹のことだろ?」



そうなんだよ。いや、西野くんの遅刻もちゃんとあとで指導するけどね?


西野くんが来たのが12時をちょっと過ぎた頃らしいから、あたしに会うまでに10分かそこらしか時間がない。


昼のそんなちょっとの時間で、血が出るほどの怪我を負うだなんて。



しかも、ひぐち君は弱くない。


ということは、あれは避けられない状態で殴られたか、不意打ちの一発かそんな感じかな?



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