遠距離恋愛
―・・・
「ただいまー…」
しん、とした真っ暗な新しい我が家。
数分前まで賑やかな実家にいたせいで、
物凄く寂しく感じる。
パンプスを脱ぎ捨て、窮屈なスーツを小さめのソファに投げて、
真新しいベッドにダイブした。
「…っはー…」
一人暮らしはこんなに寂しいものなのか。
これに慣れていくのだろうか。
「…翔に会いたいなあ…」
もうこのまま眠ってしまおうかと目を閉じた時。
まるで想いが届いたかのようなナイスタイミングで、携帯が着信を知らせる。
「…!はいっ」
『おー茉柚。何してた?』