遠距離恋愛
程よく陽が入って心地好い、大学のカフェテリア。
茉柚のお気に入りの場所だ。
そして今は、午後最初の抗議が休講になったので、
ここで仮眠をとっていた。
「茉柚」
「…んっ?ああ、樹…」
「どうしたの?随分眠そうね」
「んん…ちょっとねー…」
ぐ、と体を伸ばして姿勢を正したけれど、やはり眠気はとれない。
「バイトそんなに大変なの?」
「そりゃあ、大変か大変じゃないかって言えば大変だけど…でも、
先輩達はいい人達だし、みんな仲いいし楽しいよ」
「じゃあやっぱり、苦手な勉強頑張ってるせいとか?」
「…確かに勉強は苦手だけどー、でも好きな事勉強してるんだし…」
「…ちょっと頑張りすぎなんじゃない?
あんまり気張らない方がいいわよ」
「うんー…」