遠距離恋愛
「なあんか女の子がふらふら歩いてるなあ、
倒れたりしないかなーと思ってたら案の定倒れるし、
しかも茉柚ちゃんだし…どうした?風邪?」
「あ、えっと…いえ、なんか躓いちゃっただけで!」
今更ながら、身体が密着している事に恥ずかしさを覚え、
慌てて身体を離した。
「ほんとすいません!拓未さんもこれからバイトですか?」
何かを言おうとした拓未を牽制するように言葉を紡ぐ。
「…いや、今日は入ってないよ。今は撮影の帰りで、家に帰る所」
「拓未さん、家この辺なんですか」
「うん。だから気にしないで。バイト変わってあげる」
「…え?」
「体調悪いんでしょ?帰って休みな」