遠距離恋愛
「…あの、本当に平気で…」
「明日もバイトだよね?俺も入ってるから、店長には言っとく。
だから今日と明日、ゆっくり休んで治す事!」
「…は、い。ありがとうございます…」
申し訳なくて、情けなくて、深く頭を下げた。
「いいよ、大学とかで色々大変だろ?少し頑張りすぎたんだね」
「…いえ、私なんて全然…」
翔の方がずっと、ずっと頑張ってる。
「…何と比べてるかは知らないけどさ、
少なくともバイト先では俺に頼ってよ。ね」
「はい…本当にすみません」
「一人で帰れる?」
「はい、ここの一つ先の駅なので…」
「じゃあ気を付けてね。ちゃんと寝るんだよ?」
「はい。ありがとうございます」
笑顔で手を振って立ち去る拓未を見送り、
ホームのベンチに腰掛けた。