遠距離恋愛
「…翔っ」
人混みの中、愛しい人の姿を見つける。
「茉柚!」
手を振った彼は、キャリーバッグを引いて駆け寄って来て。
「久しぶり、翔…」
抱き着いた茉柚を受け止めて、
優しい手つきで頭を撫でてくれる。
「会いたかった。寂しい思いさせてごめんな」
「ううん。メールも電話も、いっぱいくれるもん」
笑顔を見せるけれど、それでも翔の表情は少し暗い。
「それに、久しぶりに翔に会えて嬉しい。
…なんか、凄くかっこよく見える」
「ははっ! 見えるじゃなくて、かっこいいんだよ!」
笑顔も、相変わらずだ。