遠距離恋愛



「もちろん、茉柚ちゃんを連れて、だろ?」


雅人が茶化すように言う。


「あったりまえだろ!母さんも父さんも会いたがってるし。

それに、俺も茉柚んち行くもんな」

「うん!大も楽しみにしてた」

「いいわねえ、親公認」


樹の言葉に、びくりと雅人が肩を揺らす。


「…樹のお父さん、まだ雅人くんの事反対してるの?」

「反対はもうさすがにしてないみたいだけどねー。

まだ友好的とは言えないのよ。諦めた、って感じで」


苦笑いを浮かべる樹に、雅人は目に見える程しょんぼりとしてしまった。


「俺…そんなにだめ男かなあ…」

「だめっていうか…まあ、仕方ないでしょ」



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