遠距離恋愛
ばっさりと言ってのける樹に、
雅人はぶんぶんと首を左右に振る。
「俺、頑張る!絶対認めてもらう!」
「…なあ、何で雅人と樹って反対されてんの?」
こそりと、茉柚に翔が耳打ちで問い掛けた。
「んー…なんかね、樹のお父さんてがっちがちに真面目な人だから、
雅人くんの明るい性格と合わないみたいで…」
「それと、スポーツトレーナーっていう仕事に対する一方的な偏見ね」
茉柚の言葉に、樹が割って入った。
「何故だか知らないけど、初めて会った時に雅人がスポーツトレーナー目指してる、
って言ったらチャラい男だと思い込んじゃったみたいで。ほんっと謎よねーあの人。
…ていうかたぶん、あたしがあの人の思い通りの道に進まなかったから…
だから意地になってるんだと思うわ」