遠距離恋愛
―・・・
「…ゆ。まーゆ。起きろ」
「…んん…」
いつもの目覚ましの音ではない、声で目覚める。
「おはよ。朝飯出来てる。食える?」
「…食べる…」
「相変わらず寝起きは悪ぃのなー」
おかしそうに笑う翔を恨めしく見つめる。
「寝かせてくれなかったのは誰だ、って?」
考えまでお見通しなのが更にむかついて。
「ははっ!かわいいなあ」
寝起きの顔に、ぼさぼさの髪。
昨日の余韻か、声も出しにくい。
「…今日、翔の家、行くんでしょ」
「ん。で、明日は茉柚の家な」