遠距離恋愛
「あらあ、翔!お帰りなさい~」
「おー。茉柚も連れて来たから」
「ご無沙汰してます」
ぺこりと頭を下げると、翔によく似た笑顔。
「久しぶりね茉柚ちゃん!ゆっくりしてって!」
「母さん、俺の部屋まだ生きてる?」
「えー、死んでるわよ。帰るなんて聞いてなかったし、
それにあんた、大学卒業したら茉柚ちゃんと暮らすでしょ?」
だからもう死んでていいかなって」
「ちょ、何勝手に決めてんだよ」
「え?だってそうじゃないの?」
茉柚と翔の結婚話は、翔の家族にもすっかり定着しているようだ。
「いや、…まあそのつもりだったけどさ…」
「でしょ?だからあんたの部屋は今、物置」
「ものっ…」