遠距離恋愛
「おー大!久しぶりだな!でかくなった?」
「まだ成長期っすから」
「大の場合、成長期来るのが遅かったんでしょ」
弟が自分よりも彼氏に懐くなんて、姉として複雑な気分だ。
嫌味も込めてぼそりと呟いてみたけれど、
一睨みされただけで終わってしまった。
「翔くん、ケーキ食べない?美味しい紅茶もあるわよ~」
「あ、ありがとうございます。頂きます」
「大、翔くんにお話あるのよね?
後で茉柚に持って行かせるから、部屋行ってなさいね」
「…え、…あ、…うん」
母の言葉を聞いた大は、罰が悪そうな顔をして翔を自分の部屋に連れて行った。
翔も、何かを察したのか黙って着いて行く。
「お母さん…」
「大ね、進路の事とかで翔くんに相談したい事があったみたいでね」
「え?」