遠距離恋愛
テーブルには、茉柚の分のケーキと紅茶も用意されていた。
「大、やっぱり大学に進んで科学やりたいんだね」
「みたいね」
「科学者…とか?」
「さあ。そこまで研究に興味があるわけではないみたいよ?」
「ふうん…」
やっぱり、母の力は偉大だ。
何も言わずともわかっている。
「お母さんに出来るのは、やりたいって言う事を応援してあげるだけ」
にこ、と微笑みキッチンに戻る母の背中を見て、
自分もいつか、こんな母親になりたいと思った。