遠距離恋愛



「彼氏も同じ大学なの?」

「あ、いえ…遠恋なんです」

「…へえ、辛いね」

「…そう、ですね。…辛い、です」


会いたいと口にしても、不安だと思っても、
辛いと口にした事は無かった。

思わず漏れたのは、温かいカフェオレのせいか。

それとも、拓未の雰囲気のせいだろうか。


「寂しいよね」

「……」

「わかるよ。俺も元カノと遠恋だったんだ」

「え…」

「だからこそ言える。好きなら傍に居た方がいい」

「……」


気持ちがぐらりと揺れるのを感じた。



< 63 / 92 >

この作品をシェア

pagetop