遠距離恋愛
「彼氏も同じ大学なの?」
「あ、いえ…遠恋なんです」
「…へえ、辛いね」
「…そう、ですね。…辛い、です」
会いたいと口にしても、不安だと思っても、
辛いと口にした事は無かった。
思わず漏れたのは、温かいカフェオレのせいか。
それとも、拓未の雰囲気のせいだろうか。
「寂しいよね」
「……」
「わかるよ。俺も元カノと遠恋だったんだ」
「え…」
「だからこそ言える。好きなら傍に居た方がいい」
「……」
気持ちがぐらりと揺れるのを感じた。