遠距離恋愛
とぼとぼと、帰り道を歩く。
辺りはすっかり暗い。
家に帰ったら、課題をやらなきゃ。
洗濯もしてないな。
今日は翔からの電話が来ない日のはずだから、
メールを入れておこうかな。
いつものようにそんな事を考えながら歩くけれど、
いつもとはどこか違う。
「辛い」と口に出してしまった事で、
糸が切れたようだった。
「その先輩も意地悪ねえ」
「…でも、言ってる事は合ってたよ」
認めたくないから見ないふりをしていた気持ちを、
目の前に突き付けられた気分だった。
「なんか、もう…そう思っちゃったらさ、
好きって気持ちすら疑っちゃうっていうか」