遠距離恋愛
「好きなんじゃなくて、
長年一緒に居た事で芽生えた情なんじゃないか…みたいな?」
「…うん」
左手に輝く"約束"が、
まるで自分を責め立てているように感じる。
「…茉柚の気持ちだから、私には何も言えないけど…」
「…あは、だよね!うん!ごめんね!変な事言って」
「…ちゃんと、考えないと、…ね」
「…うん、わかってる…」
こんな気持ちのままじゃ、待っているなんてできない。
「…まあ、私の考えの話をするなら、
遠距離の内に一回離れてみるのも手かもしれないって思うけど」
「え、でも、それじゃ…」
「そうね、大きな賭けね。でも、迷いを振り切るには一番よ」