君ともう一度。
モノクロ
「38.2℃…もう、雨の中傘もささないからよ!」
一昨日の雨の中、びしょ濡れで帰ってきたのが原因で昨日から熱が下がらない。
お母さんは呆れた顔で私の部屋から出ていく。
当然だ。
手には祐介の傘を持っていた。
なのに、濡れて帰るなんて。
お母さんはきっと祐介と何かあったことに気づいている。
だって、あの傘は私があげた傘だから。
中学の時、誕生日プレゼントで贈ったもの。
それを返されたってことは、もう本当に…。
ーーピピッ
机に置いてある携帯がなった。
重い体を起こし、携帯を取りにいく。
二通のメールが届いていた。
一通は芹から。
私の体調を心配するメール。
もともと体は強い方じゃなかったけどここ最近は大丈夫だったから油断してた。
身体が弱いことは芹は知っている。
なんで、風邪をひいたかもおおまかにメールで知らせた。
だからかな、よけいに心配している。
「え…」
二通目は意外な人物から。
「永田くん…?」
私は驚いて目をパチクリさせた。
まさか、永田くんからメールがくるなんて思わなかったから。
私はメールを開いてみた。
そこには、私を心配してることと新しい本のことが書かれている。
本のついでに心配もしてくれたのかなと思い、私は返信をして、すぐに携帯を閉じた。
薬を飲んで、寝よう。
結構、身体が重くて辛い。
こんなの久々だ。