君ともう一度。
私はお母さんの用意してくれたおかゆを食べて、直ぐに薬を飲むと眠りについた。
ベッドは気持ちが良くてすぐに意識をてばなした。
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『…ツー。おーい、ナツってば!!』
『あ、祐ちゃん!おかえりなさい』
『その、祐ちゃんて、やめろよ。恥ずかしいから』
『えー、だって祐ちゃんは祐ちゃんだよ?』
そう言えば、小学校の時は祐介のことを祐ちゃんと呼んでてよく注意された。
今は、祐介から苗字で呼べって言われてる。
似てるけど、距離の離れ方が違う。
『ナツ』
祐介は私のことをナツと読んでいた。
夏耶の、夏と言う字が私にピッタリだって、漢字習いたてだったからかそう呼び始めた。
ナツ。
祐介だけが呼んでいた特別な名前。
今じゃ、その名前は呼ばれない。
お互い、苗字で呼び合うようになるのかな。
もう、幼馴染じゃいられない。
祐介はきっと、それを望んでいる。
なんで?
「…かや?」
「え……」
「うなされてたよ?」
目が覚めると、汗がびっしょりかいていた。
そして、目の前には芹。
どうやら、お見舞いにきてくれたみたい。
時計をみると、時刻は4時過ぎ。
私はかなりの時間寝ていたらしい。
「嫌な夢でもみたの?」
「え…んと、」
あれ、どんな夢を見たんだっけ。
そんな悪夢をみてたわけじゃない気がする。
私は苦笑いを浮かべ、首を傾げた。
「とりあえず、風邪悪化するから着替える?」
「そだね、ちょっと待ってて」
芹に促され、私は着替えをしようとベッドから出た。
さっきより体はだいぶ楽だ。
熱もおさまってきたし。
薬が効いてきたみたい。