君ともう一度。


なにも喋らずただお互いに黙々と歩いている。

10分の道がすごく長く感じる。


なんで。
こんないきなり、今まで通りみたいに接してくれるようになったの?

今だけ?

それとも、また前みたいに戻れるの?


踏み込んでいい領域なのか分からずに、私は俯いたまま。


「あのさ、」

「え、なに!?」

「俺のこと祐介っての呼ぶのやてくれない?」

「え…なんで…」


いきなりそんなこと言われても。

今まで、ずっとそう呼んで来たのに。

こっちを見ようともしない祐介に私はどうしようもない思いが溢れそうになる。


「俺ら、中学の時は距離が近すぎたんだよ
普通はあんな仲良くないって」


それはどうゆう意味?

私とはもう仲良くしたくないってこと?



「…俺ら幼馴染じゃなきゃよかったのにて、思っちゃうんだ」

「なにそれ!?意味わかんない
なんでいきなりそんなこと言うの?
分かるように説明してよ」


もう分からない。

祐介がなにを考えてるのか。

なにを言っているのか。


どうして?

今まで一緒にいた時間てなんなんだろうか。

私は一度だってそんなこと思ったことなかったから、ショックだった。


でも、祐介は違うんだ。



「俺、お前の、そうやって、すぐ分からないっていうの嫌い。
もう少しさ、俺の気持ちも考えろよ」

「祐介の気持ち…?」

「中学の時、お前には分からないって言ったじゃん。
俺、お前だけにはわかって欲しかった」


私にわかって欲しかった。

なにを?


祐介はいつもその答えをくれない。



考えて考えて、いつも分からない。

私は祐介の気持ちがいつも分からない。





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