小悪魔な王子様
「おっ姫見っけ~。て王子様も一緒やん」
「うわぁーん! 弥生ちゃーん助けてぇ!!」
だあぁぁ! もうウザイ!
「陽司、姫のこといじめんな! 姫も男ならしゃきっとしぃ」
抱き締められてる腕を無理やりほどいて
毎日言ってるセリフを言う。
うちより少し高い位置にある顔は一瞬きょとんとなり、すぐに、にこぉと笑った。
「うん、頑張るな~」
出たっ! 姫の天然悩殺スマイル!!
男なのにこの笑顔。
あ~花が舞っとって眩しいっちゅーねん!!
「あはは、王子様は今日もお姫様に振り回されてんな~」
「陽司、その呼び方やめてや」
「別にいーやん~」
同じクラスの手塚陽司は
そう言って教室に帰って行った。