炭酸アンチヒーロー番外編
「柳川くんも、ヒロくんと同じ野球部だったでしょ? だから、私が知らないヒロくんの話、いっぱい知ってるの」
「は……」
「だから私、野球部の人と知り合いになれるの、うれしいんだよ。それだけ、今まで知らなかったヒロくんのこと教えてくれる人が増えるんだもん」
──じゃあ。柳川と話してるとき、やけに笑顔だったのは、そのせい?
俺の話を、してたから?
予想外の言葉に思わずポカンと瞠目してしまいながら、まおをじっと見下ろす。
刺すような俺からの視線を浴びて、恥ずかしそうに彼女が身じろぎしたとき……俺はまた、耐えきれずその首筋に顔をうずめた。
「……ずるいな、まおは。……ほんと、ずるい……」
「え、え?!」
俺が呟いた言葉であわて始めたまおの両肩を掴み、少しだけ身体を離す。
そして余裕なく、俺は訊ねた。
「……ここには誰もいないから、いい?」
彼女の返事を聞く前に、首を傾けて距離を縮める。
深く激しく、食べるようなキスをすると、彼女はやはり甘く鳴き、俺の胸元にぎゅっとすがりついた。
シーイズマイン!
(こんな顔を見せるのは、俺だけでいい)
2013/05/14
「は……」
「だから私、野球部の人と知り合いになれるの、うれしいんだよ。それだけ、今まで知らなかったヒロくんのこと教えてくれる人が増えるんだもん」
──じゃあ。柳川と話してるとき、やけに笑顔だったのは、そのせい?
俺の話を、してたから?
予想外の言葉に思わずポカンと瞠目してしまいながら、まおをじっと見下ろす。
刺すような俺からの視線を浴びて、恥ずかしそうに彼女が身じろぎしたとき……俺はまた、耐えきれずその首筋に顔をうずめた。
「……ずるいな、まおは。……ほんと、ずるい……」
「え、え?!」
俺が呟いた言葉であわて始めたまおの両肩を掴み、少しだけ身体を離す。
そして余裕なく、俺は訊ねた。
「……ここには誰もいないから、いい?」
彼女の返事を聞く前に、首を傾けて距離を縮める。
深く激しく、食べるようなキスをすると、彼女はやはり甘く鳴き、俺の胸元にぎゅっとすがりついた。
シーイズマイン!
(こんな顔を見せるのは、俺だけでいい)
2013/05/14