炭酸アンチヒーロー番外編
……小動物。
そんな言葉が頭に浮かんで、そしてその何気なく浮かべた表現の、あまりの的確さに自分で拍手を送りたくなったけど、すぐに消した。
まあ、うん、さすがに失礼だと思うし。
「つ、辻くんごめんねっ、そんなにいっぱい持ってもらっちゃって」
「や、だってこれ、もともと俺の仕事だし」
「いや、うん、そうかもしれないけど……1度すれ違ったのに、わざわざ私を追いかけてきてくれたから」
なにげなく蓮見を見下ろすと、彼女は少し照れくさそうにノートを抱えていて。
「ありがと、ね」
そう言って笑った蓮見に、どこか胸の奥が疼いたのは
たぶん、何かが始まる合図だったのかもしれない。
はじまりの音
(その笑顔が頭から離れなくなった、なんて、)
2013/05/05
そんな言葉が頭に浮かんで、そしてその何気なく浮かべた表現の、あまりの的確さに自分で拍手を送りたくなったけど、すぐに消した。
まあ、うん、さすがに失礼だと思うし。
「つ、辻くんごめんねっ、そんなにいっぱい持ってもらっちゃって」
「や、だってこれ、もともと俺の仕事だし」
「いや、うん、そうかもしれないけど……1度すれ違ったのに、わざわざ私を追いかけてきてくれたから」
なにげなく蓮見を見下ろすと、彼女は少し照れくさそうにノートを抱えていて。
「ありがと、ね」
そう言って笑った蓮見に、どこか胸の奥が疼いたのは
たぶん、何かが始まる合図だったのかもしれない。
はじまりの音
(その笑顔が頭から離れなくなった、なんて、)
2013/05/05