コイゴコロ







緑川学園。1年1組、城山優。
『学園一の王子』と言われている彼は、
ファンクラブがあるほど、女子から絶大の人気で。

廊下を歩けば女子が騒ぎ、外を歩けば、皆が窓にへばり付く。

運動もそれなりにでき、頭も良いらしい。





そんな彼に『友達』と言われた私…



まさか、彼には友達が居ないのだろうか……
とも考えたが、

男友達もそれなりにいる。特に同じクラスの諏訪充君とは中等部の時からの親友らしいとの事。




何を考えているのかさっぱりわからない。

今のところは私に何か横暴を振るう気も無いらしい。





今も………


美術部の見学に来て、デッサンに参加している私の隣で私の絵を見ている始末。





しかも嬉しそうに…何故か嬉しそうに…



何で嬉しそうなの!?






「……城山君さ…見てるだけじゃなくて描けば良いのに」

勇気を出して小さい声で言ってみれば、


「『優』って呼んでって。俺は有紗のデッサン見れるだけで良い」





……これってあれだろうか…
呼んでって言われたからって『優』と呼んでみたら、
『てめえ、何人の名前呼び捨てしてんだよ。様付けろよ!呼び捨てした事に罰金な』
なんてジャイアニズムに言われるんじゃ…




ジャイアニズム………


もしかして!!


『友達』ってドラ●もんの●び太とジャイア●的な、
『●び太~今から野球するから河原に来いよ~』
『打たなかったら承知しないからな!』
みたいな事言われる友達!?

今は初回(出会ったばかり)だし、映画版のジャイア●なのかもしれない!!





 
< 17 / 26 >

この作品をシェア

pagetop