コイゴコロ








私立緑川学園から合格通知が来たのは、その数日後だった。




春からあの学園に…と考えると思い出すのは、あの時の男子だ。

入学したらあの人を探して速攻返そう。

少女マンガを熟読している私でもイケメンは何を考えているのか未だに謎だと思う。
遅くなればなるほど利子を増やされるのではないだろうか。














名前くらい聞いておけば良かった。そうすれば探す手間も省けただろうに。


しかしその後悔は入学して直ぐに無くなるのだった。






何故ならば、あの男子はイケメンで…
私がイケメンだと思ってるって事は皆も思ってるって事で…



その美貌は『学園一の王子』と言われるくらいだったから。









つまりは彼は学園中の人気者で、廊下を歩くだけで女子が大騒ぎし、
学園中の女子が彼の噂をするほど…彼を知らない人は居ないくらいの知名度を持っていた。












 
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