似た過去を持つ2人


大好きな家族を避け続けていたある日…


お姉ちゃんに『あとで私の部屋に来て。』と言われた。


私はその言葉がただただ怖かった。


もう突き放される日が来たのかと思った。


たとえどんなに避け続けても、血の繋がりがなくても大好きな家族は大好きなままで…そのことは何も変わらない。




自分の部屋に戻ってボーっとしているとノックの音がした。


そのあとに大好きなお姉ちゃんの声。


『優奈?今来れるかな?』


私はその声に『うん。』とだけ答えて部屋を出た。





久しぶりに来るお姉ちゃんの部屋は前と全く変わってなかった。


とってもきれいに整頓されている部屋が前は大好きだったのに。


今はなんだか泣きたくなるような景色に見えた。


だって…


私の大好きな部屋に大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃんがいる。






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