裏面ワールドトリップ
その水晶群の向こうでは

透明な塀に囲まれたひときわ大きな黒水晶が、やはり太陽の光を受けて濡れたような輝きを放っていた。


数十本、いや、もっと沢山の黒い尖塔が、放射状に長く伸びている。


「あれがクリステラクト城だ」


ハウスドルフさんが、その黒水晶を指差して言った。



「……水晶で出来た、お城?」


「と言うかあの城そのものが、元々ここに生えてた1つの黒水晶の塊なんだ。


別名〈幽霊水晶の館〉とも言う」


「幽霊水晶?」


「あぁ。

入ってみればわかるが、何て言うか……奇妙な所だ」
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