裏面ワールドトリップ
モーリッツはそのまま目を閉じ、更にこちらへ顔を近付ける。



――あれっ?


もしかして、お姫様と私が入れ替わった事に気付いてない、とか?



……最っ低。


そう思った瞬間、私は反射的にモーリッツの顔を

――唇が触れるか触れないか、という所まで迫っていた顔を――

両手でぴしゃりと受け止めていた。


見開かれた目をきっかりと見据える。



「自分が口説いた女の顔くらい、ちゃんと覚えときなさい」
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