裏面ワールドトリップ
一晩ぐっすり寝て起きると、世界は新たに動き出していた。



クリステラクト国王モーリッツ4世の国際裁判が、近々行われる事になったらしい。


侵略した国や土地は返還され、クリステラクト城に捕らえられていた女性たちも解放されるという。



「まだ決まったわけじゃありませんが」


私に朝のお茶を運んで来たバルダクタル城の召し使いは、そう前置きして更に

家も身寄りも失った女性に住居や仕事を斡旋しようという意見が、周辺の国々から出ている事も話してくれた。



それから、国王夫妻が私を朝食に招きたがっている事も聞かされた。


私が快諾すると

「では、お時間になりましたら食堂へご案内致します」

と言って、召し使いは退室した。
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