裏面ワールドトリップ
しかしハウスドルフ中尉は

「まさか」

と、首を横に振った。


「確かに、姫はモーリッツにお心を奪われてはいらっしゃるが

でも一国の姫だぞ。

相手が敵国の王である事は当然ご存知だし、そんな男に気を許してはいけない事ぐらい、よく心得ているはずだ」


「あのねぇ、ハウスドルフさん」



ローゼさんは「やれやれ」とでも言いたげに小さく笑った。
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