裏面ワールドトリップ
バルダクタル城
「それじゃ2人共、気を付けてね」



ローゼさんに見送られて、私とハウスドルフ中尉は一旦、バルダクタル城へと向かった。


私の事を、王様やらバルダクタル軍の元帥やら、とにかく偉い人たちに会わせるのだという。



お城へと続く森の小道は、やわらかな木漏れ日に溢れていた。


頭上では木々の枝葉が空を透かし、足元には星屑のような花々が、草むらの合間に見え隠れしている。



何だか今にも「バカンス先の田舎で散歩を楽しむ中世の貴婦人」もしくは「おばあさんの家へ急ぐ赤ずきんちゃん」なんかが、ひょっこり現れそうだと思った。
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