裏面ワールドトリップ
「こちらの世界にはそういう、不思議な力を持った人とか魔術師とかって、普通にいるものなんですね」


「そりゃいるよ。ただ……」

と、ハウスドルフさんは後ろを

――小道の奥にある丸太の家を――

振り返った。


「さすがにあのレベルになると、他にはいねえんじゃねえかな」


「ローゼさん?」


「あぁ。

大体あんなおっかねえもんがこの世に2人も3人もいたら、やってらんねえよ。


ところで……それ、何?」



ハウスドルフさんは、私の手に握られたウイスキーの瓶に視線を落とした。
< 74 / 224 >

この作品をシェア

pagetop