裏面ワールドトリップ
未だに怪しまれているような気がしたので、私は

自分が「邪悪な言葉小人に付け入られる隙の無さ」を買われてローゼさんに呼ばれた事や

その能力を生かしてお姫様をモーリッツ4世の〈言葉小人の力〉から守るよう頼まれた事を、手短に説明した。



「なるほどねぇ……

ま、あのばあさんに選ばれたなら間違いは無いだろう。

頭ん中を読まれたり意識をどうこうされる事に関しちゃ、俺たちにはどうしようもねえからな。


一つ、よろしく頼む」




やがて

目の前に、重厚な風格を湛えた大きなお城が姿を現した。


バルダクタル城だ。
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