裏面ワールドトリップ
対策本部には、幹部クラスの軍人や王室関係者が集められているようだった。



ハウスドルフさんは人混みをどんどんかき分けて行き

大広間の奥、一段高くなった席に座る国王の前に、私を案内した。



深いブルーの長衣をゆったりと纏った国王は
50代くらいだろうか。


そのそばに、金ボタンに金の肩章が付いた真っ白な軍服の元帥が控えている。



ハウスドルフさんと元帥を通じて私を紹介された国王は、しばしの間、私の姿にじっと目を凝らしていた。


鋭く厳かな目付きである。



――怪しまれてるのかな……。



恐れ多くていたたまれない気分になりながら、私は国王が何か言うのを待った。
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