裏面ワールドトリップ
戸惑う私の様子をどう解釈したのか、国王は
「よくぞ来てくださった」
と、あたたかく歓迎してくれた。
「ありがとうございます、陛下。
ところで……」
私はローゼさんの家で出された今回の件についての仮説を、国王に話した。
「ほぅ、ローゼがそんな事を。
実は今……」
ふと、国王の瞳に、深い水底に差す翳りのようなものが見えた気がした。
「モーリッツ4世から
娘との――シャルロッテとの結婚を正式に認めるようにとの要求があった。
娘を救い出すだけなら、我がバルダクタル軍の力を以てすれば造作も無い事なのだが……
あの娘は、素直だが思い込みが激しくてな。
モーリッツに惑わされている以上、強引に連れ戻そうとすると何をしでかすか……」
「よくぞ来てくださった」
と、あたたかく歓迎してくれた。
「ありがとうございます、陛下。
ところで……」
私はローゼさんの家で出された今回の件についての仮説を、国王に話した。
「ほぅ、ローゼがそんな事を。
実は今……」
ふと、国王の瞳に、深い水底に差す翳りのようなものが見えた気がした。
「モーリッツ4世から
娘との――シャルロッテとの結婚を正式に認めるようにとの要求があった。
娘を救い出すだけなら、我がバルダクタル軍の力を以てすれば造作も無い事なのだが……
あの娘は、素直だが思い込みが激しくてな。
モーリッツに惑わされている以上、強引に連れ戻そうとすると何をしでかすか……」