裏面ワールドトリップ
謹厳な国王の顔に、その時「父親」が垣間見えた。



我が子に対して感じる不安や歯がゆさ、その根底にある深い愛情――


たとえ王様だろうと、年頃の娘との接し方には頭を悩ませるものらしい。



それでも、嘆いたり弱った顔を見せたりする事無く家臣たちの上に立たねばならない国王が

何だかすごく、痛ましかった。



「わかっております」


私は国王の目を真っ直ぐに見た。


「必ず、お姫様を納得させた上で無事に、ここへお連れ致します。

ご安心ください」
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