裏面ワールドトリップ
敵地へ
装備を整えろと言われても

何の訓練も受けていない私が、いきなり剣や弓矢を使いこなせるはずはなかった。



「参ったな……」


バルダクタル城の地下

金属のにおいが充満する薄暗い武器庫の中で、私とハウスドルフさんは途方に暮れた。


「けど、ゆっくり選んでる時間も無いしな……

しょうがない」



ハウスドルフさんは

「とりあえずこれだけでも着といてくれ」

と言って、自分が着ているのと同じライトグレーの軍服の上下と軍帽を、私に寄越した。



見ただけではわからなかったけど

実際に手にしてみると、布とも革とも微妙に違う、みっしりと張りのある感触の素材で出来ている。


それでいて、重さはほとんど感じられない。


「〈グルオンスーツ〉って言ってな。

打撃のダメージも火も通さない、特殊な防具だ」
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